ハードウェアのシリコンバレー「深セン」を訪問


つい先日ハードウェアのシリコンバレー、深センに行ってきた。ここ1、2年、雑誌やネットニュースで深センの記事を頻繁に目にするようになった。どれもまるで未来都市のような書き方で、想像が膨らむばかり。そこで百聞は一見にしかずとの思いで、現地を訪れることにした。

深セン、元々は人口3万人の小さな漁村だったが、1980年代の改革開放政策によって今では人口1400万人、北京、上海、広州と並び、中国4第都市のひとつとなっている。ハイテク産業の集積地帯で、秋葉原の30倍とも言われる電気街「華強北」が有名である。

実際に来てみると、驚くことばかり。まず現金を使う機会がほとんどない。WeChat Pay のQRコードを見せるか、逆にお店のQRコードを読み取って金額を入力するだけで支払いができてしまう。普段から日本でも日常的な買い物は Suica で支払っているが、それでも現金が必要ないとまではいかない。それから、Mobike (シェア自転車)もさんざんニュースでは見ていたが、実際に使ってみるとやっぱりとても便利だった。スマホで自転車のQRコードをかざした瞬間に、カギが開錠されるのは感動的ですらあった。乗り終わってカギをかけると、すぐにスマホにメッセージがきて、精算が済んでいた。30分程度乗り回して、料金はわずか16円だった。

   


電気街はとにかく巨大で、1日中歩き回っても、全部は見られなかった。なんだか90年代の秋葉原みたいな雰囲気で、懐かしい気持ちになった。実際、華強北は1988年に、秋葉原をモデルに誕生した言われている [1]。

 
電動スクーターや、超小型のセグウェイみたいの乗り物、ドローンなどもよく見かけた。歩くだけでいろいろな発見がある。深センの最大の特徴は、「深センスピード」と呼ばれる圧倒的なスピード感だと言われている。もちろんいいところばかりではないけれど、それでも学ぶべきところは多いように感じた。

 

 

興味深いことにモノづくりの中心地は東から西へシフトしている。18世紀にイギリスで産業革命が起きると、イギリスは世界の工場と言われ、大英帝国の力の源泉ともなった。その後19世紀初頭アメリカでT型フォードによる大量生産のイノベーションが起きると、その圧倒的な生産力をもとにアメリカが世界の工業の中心となった。戦後、アメリカから技術導入を受けた日本は、奇跡といえる経済成長を遂げ、工業化が一気に進んだ。1980年代には自動車、家電、半導体を中心に、メイドインジャパンの製品が世界の市場を席巻した。2000年以降は、アジア新興国が急成長した。家電や半導体産業の中心地は韓国・台湾へとシフトした。そして2010年代に入ると、巨竜、中国の存在感が一気に増した。先進国のあらゆる技術を取り込み、驚異的なスピードで進化を続けている。現在の深センはある意味それを象徴しているように思う。そして日本にとっては残酷であるが、一度モノづくりの中心がシフトしてしまうと逆戻りすることがないことは歴史が証明している。

準備編

深センに行く前に、中国で必須アプリとなっている、WeChat、Alipay、Mobike(シェア自転車) を使用できるようにと思ったのだが、これがなかなか大変だった。
Mobike は簡単に登録できたものの、WeChat (WeChat Pay機能)、Alipay はハードルが高かった。まず中国語と英語、日本語が混在していて、何をどう進めたらいいのかよくわからない。
他の人のサイトを参考にしながら、登録自体はできたものの、身分証明書の認証、もしくはクレジットカードの紐づけではじかれてしまった。
このままではチャージができない。いろいろと試行錯誤した結果、WeChat Pay についてはポケットチェンジでチャージすることができた。レートは悪いが、WeChat Pay の体験用として割り切った。また入金可能な金額は最大2000元(3万円程度)までと表示されていた。
結局、Alipay はパスポートの画像を送信した後、「Verification failed」という画面が表示され、アクティベートできなかった。

深センへの直行便はとても少ないため、基本的には香港経由で行くことになる。香港行きのチケットとホテルの予約は、普段使用している Expedia を使用した。ホテルは駅と電気街がすぐ目の前の Shenzhen Norinco Hotel を予約した。1泊6,000円ほどで、部屋もきれいで、窓からの眺めもよく、特に不満はなかった。航空会社はキャセイパシフィックで、成田から香港まで往復で4万円程度だった。

気づいたところ

  • 香港では日本と変わらない感覚で Facebook や Google が使用できたが、中国本土に入った途端、使用できなくなった。グルーバルWifi のVPN付きの Wifi ルータなどあった方がいいと思う。
  • 電源は日本のコンセントプラグがそのまま使えることが多い。但しアダプタの電圧が220Vに対応しているか確認する必要がある。
  • 深センのホテルに泊まる際、デポジットとして現金が必要となる。私の泊まったホテルでは400元だった。チェックアウト時に何もなければ返却してもらえる。
  • 深センの食事は期待していたほどではなかった。見た目は美味しそうで注文しても、独特の香辛料が使われていてなじめないことが多かった。電気街にバーガーキングがあるのは助かった。それから「吉祥」という大通りの地下にあるワンタン屋さんも美味しかった。
  • 香港国際空港の Airport Express の乗り場の近くに交通ICカード「オクトパス」を購入するカウンターがあるので、到着後購入した方がいい。Airport Express Tourist Octopus という Airport Express の往復分が含まれているお得なカードもあったが、購入後180日という有効期限があった為、次回訪問も考え、通常のオクトパスを選択した。深センではまた別の交通ICカード「深圳通」の購入が必要となる。
  • ネット上には深センや WeChat Pay、Alipay に関する情報があふれているが、できるだけ最新の情報を確認した方がいい。一年も経つと状況が変わっている場合が多い。
  • 華強北の営業時間は11:00-18:00 とあったので、11:00 ちょうどに行ったのだが、ほとんどお店が閉まっていた。少しカフェでお茶をして、12:00頃に行ったら何事もなかったように営業していた。
  • 香港の街も見てみたかったので、Airport Express で最初に香港駅に出て、MTRを乗り継いで深センへと向かった。ただ思ったよりも乗り換えが多く、時間もかかってしまったため、時間のない人はバスとMTRの組み合わせの方がいいのでは思う[2]。

参考文献

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