オープンソース・ソフトウェアのビジネスモデル


昨年からいくつかのオープンソース・ソフトウェアを独自に開発しており、その過程でいろいろと調査していた為、オープンソース・ソフトウェアの関する基本的な知識や動向についてまとめました。

はじめに

オープンソース・ソフトウェアとはソフトウェアのソースコードを公開し、誰もが自由にソースコードを改変し、また利用できるソフトウェアのことを指しています。
オープンソース・ソフトウェアは著作権を放棄しているのではなく、事前に定められた条件下で利用することを認めたもので、利用条件を定義したものをオープンソース・ソフトウェア・ライセンスと呼びます。
オープンソースという言葉はフリーウェアと区別するために、Netscapeの開発会社パロアルト社が初めて使用したと言われています。

フリーウェアとの違い

オープンソースソフトウェアと近いものにフリーウェアがありますが、フリーウェアは無償で利用できるソフトウェアであるという意味で、オープンソースであるかは区別していません。

オープンソース・ソフトウェアのメリット/デメリット

オープンソース・ソフトウェアはプロプライエタリのソフトウェアと比較して、それぞれ以下の様なメリット、デメリットがあります。

オープンソース・ソフトウェアは(多くの場合)無料で利用でき、自由にカスタマイズができるという大きなメリットがありますが、利用には一定の技術力が必要で、トラブル等でかえって高くつくというケースがあります。

オープンソース・ソフトウェア・ライセンスの種類

オープンソース・ソフトウェアに様々なライセンスの種類があり、それぞれ利用条件が異なります。

現在、代表的なライセンスの比較表

最も利用条件の寛容なライセンスは MITで、厳しいライセンスはGPLとなります。ライブラリ、フレームワークなど組み込んで使うソフトウェアにはMIT、プラットフォームとして利用できるソフトウェアにはGPLが採用されることが多いようです。

オープンソース・ソフトウェアのビジネスモデル

1. 有償サポート提供型モデル
オープンソース・ソフトウェアのサポートを有償にて行うビジネスモデルです。Red Hutなどが採用しています。

2. 仲介型モデル
オープンソース・ソフトウェアの開発元は市場に対して大きな影響力を持ち、コミュニケーションのハブとなります。そのポジションを利用し、SIを行う開発会社の紹介や、サーバ会社を仲介を行い、広告料や手数料を徴収します。EC-Cubeなどが採用しています。

3. 有償製品誘導型モデル
オープンソース・ソフトウェアを無償で配布し、顧客を囲い込み、自社の有償製品の購入へと誘導します。
Microsoft などが採用しています。例 : Visual Studio Code

4. プラットフォーム型モデル
オープンソース・ソフトウェア自体は利益にならなくても、オープンソースの圧倒的な伝播力を利用し、市場に普及させ、プラットフォームの作り手としての地位を獲得します。プラットフォームの作り手は市場に大きな影響力を持ち、また様々な決定権があり、ビジネスを有利に進めることが可能となります。
Google の Android などが採用しています。
Android が登場する以前は日本のガラパゴス形態のように各社が独自のOSを搭載していました。しかしAndroidが登場するモバイルOS市場で圧倒的なシェアを獲得し、Googleは市場に対する大きな影響力を獲得致しました。またモバイル向け検索広告市場においてGoogleのシェア拡大につながりました。
このような手法はプラットフォーム戦略とも呼ばれます。
プラットフォーム戦略において、オープンソース化は極めて重要な要素と位置付けられています。

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