今、あらゆるものづくりの分野でソフトウェアの重要性が高まっており、またロボットや自動車や、モバイル機器など、各ハードウェアに汎用的なOSが搭載されている、もしくはされようとしている。特に自動運転システムは、Google などをはじめとするネット企業が実用的なレベルでの実証実験を行っており、近い将来、普及することが予想され、その社会的なインパクトは非常に大きい。
ロボットと3Dプリンタは、当初は別々の流れとして進化してきたが、将来3Dプリンタによってロボットの部品が作成されるなど、密接な関係になりうることが予想される。Google は最近では日本発のシャフトを始めとする大きのロボットベンチャーを買収しているが、その目的は今のところベールに包まれている。
ユビキタスを取り巻くプラットフォームで共通しているのは、ソフトウェアの標準化、オープン化の流れが起きていることではないかと思われる。かつてコンピュータが、大型で高価なコンピュータと、それに特化した専用のソフトウェアから成り立っていたのが、標準化、オープン化が進むことによって低価格化、汎用化が劇的に進み、パソコンが誕生したように、携帯電話、ロボットの世界でも同じようなことが起きつつある。またソフトウェアはプラットフォームビジネスでもあり、特定の企業に利益が集中しやすく、いかに早くこの分野で主導権を握るかが、企業の命運を握っていると言っても過言ではないが、日本はこの危機意識が低い。組み込みソフトウェアは短期開発のIT系のソフトウェアと性質が異なるが、最近ではハードの高性能化に伴い、Linux など汎用OSなどが搭載されるようになってきた。この分野においてもソフトウェアの重要性は高まっており、今後、IT技術者の活躍の場はますます増えると思われる。