マイクロプロセッサ


現在主流のマイクロプロセッサの多くは1970年代頃に誕生した。1971年には Intel の 4004 が、1974には Motorola の 6800 が、1980 には HITACHI の H8 が誕生した。マイクロプロセッサはその後も進化を続け、その系譜は現在にもつながっている。その中でも現在に至るまで最も大きな成功を収めたのは Intel である。
Intel は Microsoft と組み、しばしば Wintel と呼ばれるように Windows パソコン用のCPU市場で圧倒的なシェアを誇った。
対照的に Motorola は 6800 で成功を収めたものの、68000 でアーキテクチャを一新し、互換性を切り捨てたことでシェアを大きく低下させた。
ARM は低電力を武器に、現在携帯端末などで多くのシェアを占めている。
SH は多くのゲーム機や携帯端末など搭載されたが、MS がARM に乗り換えたことによって撤退を余儀なくされた。
過去、マイクロプロセッサの性能は周波数が大きな目安になっていたが、現在では1コアあたりの周波数は頭打ちになり、コアの数によって高速化を図るようになっている。ただしマイクロプロセッサの性能は必ずしもコアの数に比例するわけではなく、性能の発揮にはソフトウェアに寄るところが大きい。

組み込みマイクロプロセッサの特徴は多くの機能が凝縮されていることが第一にあげられる。エンジニアリングの観点からは個々の機能ごとにチップを組み込むのは効率が悪く、コストアップの原因になるため、できるだけ1つのチップで多くの機能を搭載させたいというニーズがあった。具体的にはタイマーやROM、メモリ、ロジックデバイス、I/O制御、LAN機能、USBホスト機能などが挙げられる。またこれらの機能を用途に応じて、選択して組み込みができることも大きな特徴である。

マイクロプロセッサのビジネスの特徴は第一に寡占化しやすいということである。マイクロプロセッサの開発には莫大な開発費がかかり、限られた会社での競争になり、その中でさらに勝ち残った会社がシェアを独占化する傾向になる。
第二に固定化しやすいということである。ソフトウェアは通常、マイクロプロセッサごとに異なる開発が必要で、その開発にも長い年月と膨大な費用が発生する。またユーザにとっても購入したソフトウェアを買い換えるのは好ましくなく、一度採用されたマイクロプロセッサは変更しにくい傾向がある。
その結果何十年という単位で (Intelなどの) 特定のマイクロプロセッサのメーカーのシェアが固定化し、莫大な利益を挙げることなっている。
これは互換性が確保されており、メーカーのシェアが流動的なメモリ市場と大きな違いである。

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