Webブラウザの要素技術


Webブラウザはインターネットプラットフォーム戦略上、常に重要な地位を占めている。なぜならWebブラウザはインターネットにおけるOSに相当する役割を持っているからである。そのため、度々インターネットの主導権を握るため、ブラウザ戦争とも呼ばれる熾烈な競争が起こった。特に1990年代の Internet Explorer と Netscape Navigator の競争が有名で、結果的には Windows へのバンドルによって Internet Explorer が勝利した。ただWebブラウザは90年代頃にその原型が出来上がって以降、原理的には現在もほとんど変わっていない。WebブラウザはPCだけではなく、スマートフォンや家電などあらゆる機器に搭載され、今後もその重要性は高まっていくと思われる。

■ Flash

Flash とはブラウザ上で音声、動画、アニメーションなどのWebコンテンツを作成するソフトウェアで、Flash で作成したファイルを再生するには Flash Player と呼ばれるブラウザのプラグインが必要である。Flash は Macromedia社 によって開発され、その表現力の高さや、Youtube など Flash Player でしか再生できない動画サイトが多く生まれたことから、ほぼ全てのブラウザに Flash Player が搭載され、事実上標準のマルチメディア再生プレイヤーとなった。その後、Macromedia は Adobe に買収され、Flash も Adobe によって頻繁にバージョンアップを繰り返した。Flash はデスクトップのみならず、スマートフォンなどのモバイルデバイスにおいても事実上標準を目指していたが、Apple の iPhone/iPad に搭載を拒否されたことから普及率を根拠としたプラットフォーム戦略の変更を大きく迫られることになった。現在ではその役割が HTML5/JavaScript に置き換えられるようとしている。

■ HTML5

HTML5 は W3C によって2008年にドラフト版が発表され、現在正式勧告を目指して策定が進んでいるHTML の仕様である。
クラウド環境やモバイルデバイスを意識しており、オフライン時に利用できるアプリケーションキャッシュ機能やWebストレージ機能などが搭載されており、audio や video など Flash の機能の多くをサポートされている。また Flash が搭載されていない iOS デバイスでも採用されていることから、今後マルチメディアコンテンツも Flash から HTML5 が主流になっていくと思われる。
元々はFlash に対抗して Microsoft、Apple、Google などが深く関わっていたが、最近では Flash を開発してきた Adobe も積極的に推進している。
ただ HTML5 はしばしば策定過程において、参加企業の意向が対立したり、実際にブラウザによってサポートされている機能や、HTMLタグの解釈が異なるなど、互換性にも課題が多い。

■ JavaScript

JavaScript はブラウザ上で動作するスクリプト言語である。Java という名前が付いているが、Javaとは全く異なる言語である。JavaScript はコンパイルされず、ソースコードがそのままブラウザ上に読み込まれるため、流用防止やセキュリティ上、難読化することもある。
JavaScript は Google Map で採用された AJAX と呼ばれるXML非同期型通信の技術が注目されることによって、本格的なWebアプリケーションが開発言語として広く認知されるようになった。
また JavaScript は Flash と違い、特別なプラグインも必要とせず、また開発環境やツールによって広くサポートされていることから、比較的に開発の敷居が低い言語とされており、非常に多くのサイトで採用されている。
iPhone, Android などモバイルデバイスにおいてもほぼそのまま動作可能で為、クラウド環境やモバイルデバイスにおいても普及していくものと思われる。

■ Cookie

Cookie とはHTTPヘッダを拡張して確保された領域に、限られたデータを保存させる仕組みである。Cookie にはWebサイト(Webサーバ)側が指定したデータを保存しておくことができ、主にWebサーバ側で発行した識別子(セッションID)をクライアント側のWebブラウザに保存させ、ページが切り替わっても同一のアクセスであるという認識させるためのセッションの管理に使用されることが多い。他にはユーザIDやパスワードなどを保存させ、入力の負担を軽減するためなどに用いられることもある。Cookie には参照できる範囲が制限されており、基本的に他のサイトの Cookie を参照することは出来ない。ただし Cookie の内容は平文でやりとりするため、通信経路で盗み見られる可能性もあり、最近では secure 属性を付加し、Cookie の内容にSSLをかけることも増えてきた。

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